蛇腹の押し方(開け)に続いて、「閉じ」編です。
開けに比べると難しいと感じる方が多いですね。
力の入れどころが分からないというのが最たる理由ではないでしょうか。

私も長年、どうやって教えれば適切な腕の使い方になるのか頭を悩ませてきましたが、最近はシンプルに「触れているところを押す」がいいなと思っています。
どこが触れているか。その感覚がないと難しいのかもしれませんが、そこは取り組む方々の注意深さに期待したいと思います。
なお、この「触れているところを押す」というのは、甲野陽紀さんの身体講座に行った時に教わった技です。ご著書である『身体は「わたし」を映す間鏡である-なぜ人は「あたりまえに動ける」のか-』にも書かれていますので、ご興味のある方はぜひご一読ください。

「閉じ」のレッスン動画にも生徒との実際のレッスンの様子を公開しています。

「開け」同様にポイントになる場所があります。
それが、

腕の内側と肘

ほぼ「開け」と同じです。腕の内側は「開け」の時よりも更に重要度が増します。
なぜならそこが楽器と触れている場所であり、そこで楽器を押すからです。
親指の付け根、手首、肘そのどれでもなく、前腕の内側で楽器を押してください。
難しいとは思いますが、そこが楽器に触れている場所なので、そこで押すしかないです。

親指の付け根も当たってますか?
「閉じ」の際に触れているとは思います。
けれど、そこで押してしまうと指は動かなくなります。腕の上下運動も難しいでしょう。
そこで楽器を押してしまうと、困ることが多くなるんですね。

「閉じ」の動きは、腕の内側を楽器から離さず、そこで楽器を押すことに尽きます。
ポイントの場所としてあげた肘は、腕が直角に曲がり始めた頃からじんわりと身体に寄せてくるのですが
これも腕の内側で押し続ける動作をしようとすれば、自然と肘も身体に寄ってきます。
特に蛇腹を閉じる最後の最後あたりで「腕で押す」動作が甘くなる方が多いので、気をつけてみてくださいね。

全ては「腕の内側で押す」に尽きます。

「開け」の方向で「閉じ」の出来が決まる

さて、前回の「開け」のブログでも少し触れましたが、「閉じ」のしやすさは「開け」次第です。
閉じてくるときに、腕の内側で押せる身体・楽器の向きというものがあります。

開け」の際に
・前方向に腕を動かした場合
・真横に動かした場合
・後方に動かした場合

上記3つでは、閉じやすさは三者三様で異なります。
ぜひどの方向に開けていけば、閉じやすいか探ってみてくださいね。
ここら辺は、動画でもブログでも説明しづらいので、それぞれに試してみていただくしかありません。
たったひとつの正しい「蛇腹操作」の方法があるわけではなく、またあなたの身体と楽器の組み合わせは、ひとつしかありません。
演奏姿勢はご自身でベストなものを見つけるのがいちばんです。
これまで出したレッスン動画やブログが、そのお手伝いになるようなものであれたらいいなと思っています。