久しぶりの自主企画、そしてやっと埼玉での演奏会のお知らせです!

 今年は、アコーディオンの元祖とも言える「ハンド・エオリーネ」という楽器が発明されてから200年になります。
200年前のヨーロッパは、ピアノをはじめとした新しい楽器が次々と生まれた時代でした。バロック時代より「楽器の女王」と言われたパイプオルガンを小型化し、パイプではなく金属製リードを用い、ふいごにより音を鳴らすリードオルガン。科学技術が発達しオルゴールのような機械式のオルガン(自動オルガン)も登場します。
またグラスハーモニカと呼ばれ、水の入ったグラスの縁を濡れた指で擦ると音が出る仕組みを利用した楽器や、そこから発展したテルポディオンなど、ユニークな楽器も数多く作られました。現在は幻となってしまった楽器も含め数多くの楽器が発明された背景には、オルガン製作家たちの「小型で、かつ歌うように音に表情がつけられる楽器をなんとか生み出したい!」という情熱と試行錯誤がありました。

 今回のコンサートでは、そんな製作家たちが情熱を傾けた様々な楽器に焦点を当ててパイプオルガン、自動オルガン、グラスハーモニカ、そしてピアノのための作品を取り上げます。1822年にハンド・エオリーネが誕生してから改良に改良を重ねた現在のアコーディオンは、まさに200年前の楽器製作家たちが生み出そうとしていた『小型で、かつ歌うように音の表情を変えられる楽器』です。
そんな職人たちの工夫と試行錯誤から始まったアコーディオンの歴史。18世紀末から19世紀初頭にかけてのアコーディオン黎明期ともいえる時代を、音楽作品を通して知っていただけるひと時にしたいと思っています。

プログラムには、フランスの作曲家セザール・フランクのオルガン作品も入れています。彼もまた今年が生誕200年です。
パイプオルガンの作品は、左右の指+脚ペダルの旋律があるためアコーディオン1台ではどうしても演奏できないのですが、今回は素敵なゲスト檜山学さんをお招きしていますので、2人で「楽器の女王」にふさわしい作品をお届けしたいと思っています。
常に独自の音を追求し卓越した技術を持つ檜山さんとは、実に7年ぶりの共演となります。そしてクラシック音楽をご一緒するのは今回が初めて。
ここ数年は、彼の演奏が聴けるのは貴重な機会となっておりましたので、ぜひライヴで聴いていただきたいと思っております。

お申し込みは、こちらのHPのお問合せからお願いいたします。

多くの方と音楽の時間を共有できたら幸せです。
ぜひお越しくださいませ!


誕生200年〜松原智美が奏くアコーディオン黎明期の音楽〜

2022年6月11日(土)13:00〜

フェリーチェ音楽ホール
〒333-0866 埼玉県川口市芝2−3−11
JR京浜東北線「蕨駅」東口より徒歩11分

開演13:00 開場12:30
出演:松原智美(アコーディオン) ゲスト 檜山学(アコーディオン)
料金:一般前売り3,500円 当日4,000円
   学生(高校生以下)前売り2,500円 当日3,000円

【プログラム】

W.A.モーツァルト W.A.Mozart
グラスハーモニカのためのアダージョ K.617a
自動オルガンのためのアンダンテ K.616
トルコ行進曲 K.331

L. v. ベートーヴェン L. v. Beethoven
ソナチナ ト長調 Ahn.5
自動オルガンのための組曲 WoO33

J.ブルグミュラー J.Burgmüller
25の練習曲Op.100より

パルマー/ヒューズ(松原智美 編)Palmer-Hughes
 ウクライナ民謡「美しきミンカ」による変奏曲

C.フランク C. Franck
前奏曲、フーガと変奏曲 作品18
 オルガンのための6つの小品より「終曲」作品21