はじめに
アコーディオンレッスン記事、第14回目です。
今回は弾きやすさに直結するベースバンドの長さと、そこにどのぐらい左腕を入れるのが良いかというテーマを取り上げてみます。(動画の長さは15分弱)
まずベースバンドは長さ調節が可能ということをご存知ない方もいらっしゃるので、ご自身の楽器に調節金具が付いているかどうか確認してみてくださいね。
知っていたという方も、この金具は楽器を持ち上げたりケースに入れる際に触れて、すぐに緩むものですので演奏する際には毎回ベルトの長さは調整するようにしてください。
ベースバンドが緩すぎる人が多い
左腕が動かしにくいから、とベースバンドを緩くし過ぎている人が多いです。
まぁ、プロの奏者にも緩めが好きという方はいるので一概にダメなわけではないのですが、ほとんどの場合ベルトが緩すぎて左腕が不安定だったり、力が伝わらなくて大きな音が出なかったりしています。
左腕が動かしにくいから、という理由でゆるゆるにしている方は要注意ですね。
動かしにくい理由は、以前の動画で説明していますのでコチラを是非ご覧ください。ベルトがきついから、ではないんです。
おすすめはちょっとキツめ
私のおすすめの長さは、少しキツめです。
動画(2分45秒)をご覧いただくとわかりますが、実際の演奏で左腕の上下移動をする場合もそんなに多く動かす必要はないんですね。少し腕が動けば、かなり遠くのボタンに指が届きます。
そして蛇腹を開ける動作をした時に、すぐにベルトが張ってくれた方が力が無駄になりません。開ける時には、左腕の重さを全てベルトに預けられるようになれば指の力が抜けやすいのですが、預けやすさという意味でも少しキツめの方が演奏しやすいと思います。
ベルトは伸びて長くなる
ベースバンドは革で出来ていることが多いので、長く使っているうちに革が伸びてきます。そうすると理想的な長さに調整できなくなることもあるので、そんな時には修理師さんに頼んで、ベルトの長さ自体を短くしてもらいましょう。
今回は、その様子も撮影しました。7分44秒から作業の様子をご覧いただけます。(修理師は、加藤拓也氏)
左腕の入れ具合
さて、このベースバンドにどのぐらい腕を入れれば良いのでしょうか?
この質問は、初心者の方に聞かれることが多いです。
自ずと決まってくるものなのですが、変な癖をつけたくないと思う初心者の方も多いようなので見つけ方を考えてみました。
ちょうど良い左腕の入れ具合を見つけるために、「入れすぎ」「浅すぎ」について考えてみましょう。
まず入れすぎの場合は、左ボタンの一番奥の対位ベースの列が余裕で触れるぐらいですね。具体的には、ボタンに触れたときにしっかり指が曲がってる状態でしょうか。
この場合の問題点は、手前の列(7thやdimの列)のボタンが弾きづらくなることです。楽器を弾き始めたばかりの方は、手前の2列を弾くことがほとんどないので
最初はあまり困らないかもしれませんが、それも入れすぎてしまう原因だと思います。
浅すぎる場合は、一番奥の対位ベースの列に届きにくいです。
指が届かない!?と思ったら、単純に腕の入れ具合が浅すぎるということもあるのでチェックしてみてください。
また浅すぎると蛇腹操作に手を使いがちですので、こちらも要注意!
最適な入れ具合を見つけるには、奥の列も手前の列にも指が届くかどうかチェックしてみることが一番の方法です。
使う・使わないに関係なく、どちら側のボタンも一度触って腕のポジションを確認してみるといいですね。
おわりに
ベースバンドは演奏のしやすさに直結しています。
ですが、このベルト調整に気を使っている方は案外少ないような気もします。
今一度、見直してみてはいかがでしょう。
また古い楽器の場合は、革が硬化してしまっていることもあります。
メンテナンスが必要な場合もあるので、お持ちの楽器のチェックもしてみてくださいね。
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