アコーディオンレッスン第2回目は、「蛇腹の開閉はタイミングが命!」と題してお送りします。

蛇腹の切り返し、難しいですよね。
なんだかいつも音が途切れる…
切り返しが問題なのは分かるけど、どうしたらいいのか…

アコーディオンで音を鳴らそうと思ったら、蛇腹を動かして空気を入れ続けなければいけません。この動きには「開けるか閉じる」しかないのですが、開から閉 or 閉から開を《いつ・どうやって》切り替えるかで音楽の流れが変わります。
音自体への影響も大変大きく、正直に書くとアコーディオン演奏において一番大切で難しいテクニックのひとつなので、ずっと取り組む課題ですね。
プロ奏者でも、恐らくみんな悩んだことはあるんじゃないでしょうか?

リードについて

 今回、蛇腹切り返しのタイミングについて取り上げますが、実はこのタイミング…ついつい勘違いしてしまうことがあります。
その話題を中心に動画を使ってご紹介しますが、その前に!
アコーディオンの発音体「リード」について説明します。こういった知識があると、今後アコーディオンの音表現だけでなく音トラブルを理解する上でも役立つと思いますので、まずはこちらをご一読くださいね。

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 リードプレートの写真です。この四角いリードプレートにリードの一片が固定されていて、風によってリードが振動し発音します。
1枚のリードプレートには、同じ高さの音のリードが2枚ついています。
緑の矢印が指しているのが、こちら側から見えるリードです。そして黄色の矢印は反対側についているリードです。(調律の跡が見えますね。)
緑と黄色のリードは、どちらも同じ音が鳴ります。

蛇腹の開けと閉めでは空気の流れる方向が変わります。
私たちの呼吸でいうと、開が息を吸う、閉が息を吐く状態です。
吸う/ 吐くで空気の動く方向が変わりますよね?
1音(1鍵盤・1ボタン)に対して1枚のリードしかないと、例えば開の時の空気の流れでは音が鳴るけれど、閉の時は鳴らない(振動するリードがない)ということが起きます。また違う音の高さのリードがプレートの両面についていると、同じボタンを弾いても開閉によって鳴る音が違うということになります。(実際にそういう楽器もあります。)

蛇腹の開閉に関わらず、いつでも同じ音が鳴るようにするには、リードプレートの両面に2枚の同じ音の高さのリードが必要なんです。
ということは!
ここが大事なのですが、同じ鍵盤を弾いていても「鳴っているリード自体は開閉で違う」ということです。(注:音は同じです。大事ポイント!)

蛇腹の切り返し時には…

1. 空気の流れる方向が変わる。一瞬、空気が流れない瞬間ができる。

2. 同じ音でも鳴っているリードが変わる

という現象が起きます。
この2点を踏まえた上で、どうやったらスムーズな音の流れが作れるのか。
さぁ、その辺りをぜひ動画でご覧ください。(約9分の動画です。)

レッスン動画

「自分の音を聴く」について

 動画中、二度も言及している「聴く」。もう少し詳しく書くと、音が耳に入ってくる状態のことではありません。(ここを多くの人が勘違いしています。)
耳には蓋がないので音は勝手に《聞こえて》きますが、これは《聴いている》とは言えないのです。
自分の音を聴くとは…

1. 弾く前に「こんな音が鳴るだろう」と想像する
    または「こんな音が出したい」と願う
2. 音が鳴る前に、よーく耳をすませてから弾く
3. 鳴った音が、想像または願い通りの音かチェックすること

これが自分の音を聴く、ということです。 アコーディオンは右手・左手・蛇腹と同時に三つのことをやらなければならず、頭がそれらでいっぱいになりやすいのですが、それでも自分の音をよく聴いて、一音一音に指や蛇腹で工夫を施していくところに、この楽器の面白さがあると思います。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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