アコーディオンは、身体にピッタリとくっつけて演奏するものですが・・・そのくっつき方にも色々あって、私自身の経験では胸から上の部分は逆に離れていた方が良いんです。
フリーベースの場合は、特に演奏するボタンが身体に近い位置にあるので、楽器が少し離れていたほうが弾きやすいのですが、ボタンに比べて楽器が薄いピアノ式の楽器にも当てはまりそうだな、と今日のレッスンで思いました。

以下、生徒さんに試させてもらったこと。

お試し中

急に思いついたので(笑)、生徒さんご自身のコートを畳んで、楽器と身体の間に挟んでみました。
位置は、胸の間からお腹にかけて。
楽器の下部は身体にくっついていて、胸から上・特に鎖骨の辺りに空間ができるようにしました。
この辺りをピタッとくっつけている方、結構多いのではないでしょうか?(たぶん首も前に出てしまっているはず)

50〜70代の4人の方(男女2人ずつ)に試していただいたのですが、女性は2人とも左手(蛇腹の押引)が弾きやすくなったとのこと。

男性は、2人とも特段の変化は感じられなかったようで、それよりも右手が見えなくなるのが、気になったみたいです。
楽器が身体から離れてまっすぐに立つので、鍵盤は全く見えなくなるんですよね〜・・・。これが、すごくデメリットになる方には、あまり向いていないよう。
見えなくなる度合いは挟むものの厚さにもよるので、検討が必要ですが、あまり鍵盤を見ずに演奏する習慣がついていて、蛇腹の押引に苦労している方、そしてアコーディオンを始めたばかりの方や、身体の細い方には有効かも。

下の写真は、挟んだ場合と挟まなかった場合です。
特に首元のスペースと腕の角度にご注目ください。首元にスペースができることで、《たぶん》ですが、ベルトがキッチリ張って、かつ腕も使いやすくなって、蛇腹の操作がしやすくなるのかなと推測しています。

挟んだ場合
挟まない場合

挟むのは、小さな座布団のようなものがいいでしょうか。
硬さ・分厚さ・大きさは今後の研究課題ですが、例えば、蛇腹の押引で苦労する初心者の方に試してもらって、楽に操作できるのであれば、姿勢が固まるまでは使って、慣れた頃に外してもらう、ということを試してみてもいいかなぁと。
研究のしがいが有りそうです!