蛇腹は横に開いていきますが、腕をそのイメージのまま使ってしまうとちょっと大変です。
試してもらうとわかると思いますが、腕を「真横」に開こうとすると、肘が伸びにくいはずです。蛇腹の開閉は、肘の曲げ伸ばしであることは何度か書いてきていますが、肘をスムーズに伸ばすには腕の動きは少し前の方がいいんです。
レッスン中の動画を見ながら、解説していきます。
まずはレッスン初っ端の演奏から。(まだ何も指導していない状態です)
かなり蛇腹を大きく開かなくてはいけない曲なのですが、音が苦しそうですよね。
さてこの後、まず腕は真横には伸びていかないこと、を伝えました。
そうすると…
今度は、腕を斜め前に伸ばしていくという動作の代わりに、身体を後ろに倒す動きが出てしまいました。
身体が後傾すると蛇腹が開く「気」はしますが、閉じる時に身体ごと起こさなければいけなくなりますので、かなりしんどいです。
もう一度左腕の動きを確認し、更に少し猫背気味でしたので「鳩尾(みぞおち)を楽器につける」という動作も加えました。
この最後の状態に来るまで、所要5分です。
最初の動画に比べると、ずいぶん楽に蛇腹が開けられていると思いませんか?
音にもよく表れていると思います。
こんな風に、ちょっとした「勘違い」から生まれている弾きづらさは、割と短時間に修正できることがあります。
もちろん、この後は新しい動作を習慣づける練習が必要ですが、自力では気づけないことって多いので、レッスンでその辺りのお手伝いができると「やったー!」と思います。