まだ仮説の段階ですが、昨年11月に書いた「楽器を持つと上半身が旋回すること」に関して、現在考えていることを記していきたいと思います。

注目しているのは、楽器の形状です。
アコーディオンの身体に当たる面を見てみると、鍵盤(ボタン)部分に傾斜があります。

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右下の写真のように真っ直ぐなものも時々あるのですが、ほとんどの楽器が斜めになっています。
さてこの傾斜は、演奏しやすいようにするためのもの、であるはずです。
楽器を構えた時に鍵盤が身体に対して斜めになっていると演奏しやすい・・・と考えて設定されているはず。

なのですが、この傾斜を真っ直ぐにしようとしてしまうことから「身体の旋回」が生まれるのでは?と考えました。

どういうことかというと、こちらをご覧ください。

手書きのラフな図で申し訳ないですが・・・

仮説

蛇腹の開閉動作、左右の指の動かしやすさは、楽器が安定すると向上します。楽器が安定するとはどういうことかというと、開閉するたびにグラグラしないということ。
そのためには、特に一番グラグラしやすい開ける瞬間や閉じる瞬間に、楽器が「あるポイント」で身体と接している必要があります。

では、図のAのラインとBのライン。身体が沿うと楽器が安定するのはどちらでしょうか。

答えは、Aです。
Aの方がBよりも長いですし(この図では微妙ですが)、何より真っ直ぐ。
ただしBのラインと身体が接しないかというと、そうではありません。いつも触れているし、特に蛇腹を閉じる際にこのBライン上の「あるポイント」で身体がうまく接すると楽器の安定感はすばらしいものになります。

(ここから憶測です)
ところが、多くの人がBのラインに身体を合わせてしまう・・・もちろん無意識に、です。

ある人は身体を右へ回して、ある人は楽器を左に回して、このBのラインを身体に対して平行にしようとする
この斜めのラインを身体と平行にしようとしても、楽器と身体は平行になりません。
結果的に身体と楽器は斜めの状態になり、グラグラを留める「あるポイント」で身体と接しなくなる。

楽器の斜めラインに・・・
身体を合わせてしまう人は、上半身が右旋回。
楽器を合わせてしまう人は、左脇が窮屈になることによって左旋回する。

右に回っても左に回っても、結果的には左脇が窮屈になるし、蛇腹は身体から離れていく。

なお、Bラインに身体を添わせようとしてしまうのは、身体と楽器の接する「面積」を広くしようしてしまうからかなぁと推測しています。

大事なのは面積ではなく、点(ポイント)。
以上のような仮説をたてて、教室の生徒さんひとりひとりを観察中です。

身体と楽器の平行ライン。
これが、しばらくの要観察事項になりそうです。