先日Twitterでこのようなアンケートを取りました。

このアンケートを取ろうと思った理由は、先日「音符を読むのが苦手+2段譜に慣れていない生徒」のレッスンをしたからです。以前から、目の使い方は演奏する上で大事だよなぁと思っていたのですが、人が厳密にどこを見ていてどんな風に楽譜を読んでいるかを他人が把握するのは不可能なので、「弾いている音より先を見る」としかアドバイスできていませんでした。

その生徒は、1小節はなんとか両手で弾けるのですが、必ずその後の小節線で止まってしまい(フリーズ状態)次に進めない方でした。
先日のレッスンで、もう少し見方を細かく伝えたほうが良いのかも?と思い、「半小節前に次の小節を見る」「見る順番は左のコード(アルファベット)、その次に右の音符」と見るタイミング見る順番を指定してみました。
そうするとたどたどしくはあるものの、ちゃんと小節線を越えて両手で弾けていけたんです。

さてアンケートは33人の方が回答してくださり、上記のような結果となりました。
意外だったのは、一番多かったのが「右の旋律を見てから左のコード」を見る方が多かったということ。
また「同時に見ている」という方も多いですね。これは理解できます。
私も同時に見ていると思います。
最終的には、同時に見られるようになるのが良いのでしょうが、実はこれは小さい頃からピアノなどの2段譜を見慣れていた方でないと至難の業なんです。
試しにそういった経験のない方に同時に見るようにいっても、恐らく私の生徒のように固まってしまうと思います。それは「同時に」見ることにより情報過多になって、結局身体が動かないからじゃないかな、と想像します。

そこで、私はこんな風に考えました。

私は2段の音符を同時に見ている(と思っている)が、実は自分でも気付かないうちに優先順位をつけ、選択して音を見てるんじゃないか?

そしてアコーディオン譜(スタンダードベース)の場合は、圧倒的に左よりも右の方が情報量は多いので*、先に左のコードを見てから右の音符を読むようにすればいいんじゃないか?
*右は音の数、音の高さ、音の長さ(リズム)が左に比べて変化が大きいが、多くの初心者が取り組む曲に関して言えば左は単純な伴奏形が続く。

私が左のコードを見てから右の旋律を見るように指導したわけは、自分自身が恐らく厳密にはそのように目を使ってるだろうと思ったのと、左手の移動や蛇腹の開閉など他の仕事がある左手には、右よりも時間的な余裕が必要だと思ったからです。この辺りは、見る順番が逆でもそれほど影響はないのかもしれません。
もしかしたら人それぞれ、上手くいく順番が違うかもしれませんしね。

最近は楽器経験のない方や管楽器経験者など2段譜に慣れていない方のレッスンをすることも多く、目の使い方をなんとか上手く伝えたいなぁと思うことが増えました。
アコーディオンは見えない鍵盤・ボタンを探って音を見つける必要があるので、その分の時間が必要です。その時間を捻出するには音符を先へ先へと読んでいくのがとても重要なんですね。
これまでは「どんな風に読むのか」までは掘り下げてこなかったので、少し研究したいと思います。目の使い方ひとつで身体が動かなくなることも多いので尚更です。

ざっとネット検索をした限りでは、ピアノ教育界隈でもこの辺りは研究されていないようなので参考にできる書籍などが見つけられていないのですが、もしご存知の方がいましたら教えていただけると嬉しいです。