アコーディオンレッスン第5回目です。
今回は初歩から1歩抜け出して、もう少し表情豊かな演奏がしたいなと思われている方々向けの記事になります。
アコーディオンは蛇腹楽器なので、音の強弱やアクセントなど蛇腹で行うことが多く、それはとても重要で演奏の良し悪しに直結するのですが、鍵盤やボタンを弾く指にも音自体の表情を変える力があります。
今回の記事には、私がドイツの音大で最初に教わったことも含まれていますので少し難易度は高めかもしれませんが、アコーディオンの音の鳴る仕組みからお話ししていきますので、ぜひ最後までご覧ください。
(動画の途中で工事の音がうるさい場面があります。すみません!)

今回はテキストでの説明が大変難しいので、あまり記述できないのですが
動画の内容だけ簡単にご紹介します。

音の窓

アコーディオンの右側のカバーを外すと、鍵盤から繋がったアームの先に四角い駒が見えます。この四角い駒の下には穴が開いていて、この穴を私は「」と呼んでいます。
鍵盤を押すと駒が上がり窓が開くので空気の通り道ができ、その先のリードが振動し音が鳴ります。鍵盤から指を離すと駒が元の位置に戻り窓が閉まるので音が止みます。

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窓の閉じ方が音の質を決める

音の質の違いは、この窓の閉じ方に関わっています。
鍵盤から指をポンと離せば、窓はパタンと閉まるので音もプツンと切れます。
鍵盤をゆっくり元の位置に戻せば、窓がゆっくり閉まるので音はゆっくり消えていきます。
ピアノとは違い、アコーディオンは自然に音が減衰していかないので、こういう指の使い方をして、あたかもピアノの残響のように音を消していく必要があるんですね。もちろん蛇腹でだんだん音を消すこともできますが、蛇腹で行うと全ての音が消えてしまうので、特定の音だけを消すことができません。
この音だけきれいに消したいな、という場面でこの指のテクニックが使えます。

音の長さで強弱が変わる

私たちは、短い音は小さく、長い音は大きく聴こえます。
これを利用して、指で音の鳴っている時間を調整すれば、ある音だけ際立たせたり逆に控えめに鳴らすことができます。
例えば左手の伴奏がうるさいなって思うとき、ありますよね?
そんな時は、左手の音の長さが短くなるように弾いてみてください。全体の音の大きさは変わらなくても、きっと左手は少し小さく聴こえると思いますよ。

短い音を弾く際の注意

短い音を弾く時には少し注意が必要です。
短くしようと思うと、どうしても鍵盤から指が離れがちです。
そうすると指の動きが大きくなり、速く動かすことができなくなります。
また鍵盤を叩くことになるので、音の質も荒くなります。

アコーディオンの音の鳴る仕組みを、もう一度思い出してくださいね。
窓が開いている時に音は鳴るのでした。そして窓が開いている時というのは、鍵盤が下にさがっている時ですね。
鍵盤が下にさがっている時間が短ければ、音は短くなります。そして鍵盤を元の位置に戻せば窓は閉まり音は止むので、鍵盤に指を乗せたまま鍵盤を下にさげるだけでよいことになります。鍵盤から指を離す必要はないんです。

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音の表現「指で出来ること」の記事はここまでです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
他にも指のテクニックはありますが、まずは第一弾としてアコーディオンの音がどうやって鳴るのか、それを考えながら取り組んでいただけたらと思います。

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